私の選んだ一品 2023年度グッドデザイン賞 審査委員セレクション
2023/11/05
グッドデザイン賞・審査員の方々が一品を選び、コメントと共に紹介する企画
「私の選んだ一品 2023年度グッドデザイン賞 審査委員セレクション」
第二期の展示に支障木プロジェクトを選んでいただきました。
8日より丸の内にて展示が始まります。
今回の支障木の樫材が採れた場所は、私が高校生の頃、画塾に通った時に毎日寄ったコンビニの裏山であり、大人になって我が子とよく遊びに行く公園の裏山でもありました。
私にとって最も身近な木を材料として、使う機会を得て、なんとか形にしてこの材料をちゃんと使い切りたいという一心だったと思います。
この材料を責任持って使い切ることが、地元静岡で木工を続けている、私の使命とも思いました。
プロダクトデザイナー、建築家、バイヤーの各分野の方から、私の選んだ一品に選んでいただき、商品を含めた背景全体の評価をいただき、とても光栄に思います。
ぜひお立ち寄りください。
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【一品】木工品 / トレー ゴミ箱 鏡 支障木プロジェクト
審査委員名/コメント *敬称略
倉本 仁/プロダクトデザイナー
街路樹や公園木のような我々の暮らしに緑の潤いを与えてくれた木々にもいつか終わりの時が来る。産業を横断した協業を経て製品に生まれ変わったその姿には樹木の力が漲り、個性的な木目模様は人々の思い出を映しているかのように錯覚した。
西村 浩/建築家・クリエイティブディレクター
都市部においては「落ち葉清掃が大変だから」という理由で、伐採や強剪定される樹木が後を絶ちません。人間の都合だけで、時間をかけて育ってきた樹木をいとも簡単に痛める行為にはいつも反対するのですが、諦めざるを得ないことも多いです。プロダクトを生み出すプロセスには、やむを得ず失ってしまった時間や記憶に対する、精一杯の償いの気持ちが感じられる作品だと思います。
柳沼 周子/バイヤー
この製品に出会うまで「支障木」という言葉を知らなかった。プロジェクトの全容を聞き、関係者の覚悟と使命、これまでのご苦労を垣間見て感動した。本製品を買うことは、皆さんの心意気に一票を投じる行為である。こうした、産地でこそ成り立つ取り組みが、他地域の手本となり豊かな広がりとなることを期待する。
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私の選んだ一品 2023年度グッドデザイン賞 審査委員セレクション
2023年度グッドデザイン賞審査委員が選ぶ、個人的なお気に入りや気になる受賞デザイン約90点を、
審査委員のコメントとともに紹介するグッドデザイン賞の人気企画です。
日時:2023年 10月5日(木) – 11月30日(木) 11:00-20:00 会期中無休/入場無料
第1期 10/5(木) – 22(日) + 11/1(水) – 11/5(日) 17時閉場 *10/23-30まで世界デザイン会議特別イベントのため休止
第2期 11/8(水) – 11/30(木)
会場:GOOD DESIGN Marunouchi http://marunouchi.g-mark.org/ 東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1F
